地域と。お客様と。社員と。つながるSTORY

02.

あいさつが、
コミュニケーションの第一歩

「おはようございます! 今日もよろしくお願いします!」
「おう、○○くん。今朝も元気ええなぁ!」

宮坂産業の現場はいつも、現場担当者たちの活気あるあいさつをきっかけに、打ち解けたムードではじまります。当たり前のことかもしれませんが、実は「宮坂の社員はあいさつがいい」というのは、いろいろなお客様が実際によく口にされるポイント。宮坂産業を評価する声の中に、必ずと言っていいほど「あいさつ」が入ってくるのです。ある社員は、「現場では一人にあいさつしようと思わず、周囲三人を巻き込むつもりで声を張っている」のだとか。はじめは意識して行っていたが、最近はその声量が自然になったと笑いながら話します。
このあいさつは、単に礼儀として必要だから行っているというだけではありません。宮坂産業の業務は産業廃棄物を右から左へ運ぶことではなく、産業廃棄物処理のプロとしてお客様のお困りごとをいかに解決するかがポイント。そのためにはお客様が何に悩んでいるのかをしっかりとお聞きすることが不可欠なため、運送業というだけでなく、コミュニケーション業という側面も大きいのです。各担当者は「いまご依頼いただいている以外にも、お手伝いできることがあるかもしれない」「昨日から何か現場の状況が変わっているかもしれない」といったパートナー意識を持ち、お客様の話をできるだけ丁寧に聞こうとする姿勢で業務に取り組んでいます。そのため、まずは元気なあいさつを通じて相手に心を開いてもらい、なんでも話したい気持ちになってもらうことが、非常に重要になってくるのです。

相手に寄り添う姿勢は、きっと信頼に変わる

相手に寄り添う姿勢は、
きっと信頼に変わる

あいさつについて、こんなエピソードがあります。ある担当者が約2週間の現場を任されたときのこと。お客様は、産廃処理の現場を担当するのに不慣れということもあってか、なかなかコミュニケーションがとれない方でした。会話は常に最低限の作業指示だけ。始業・終業時のあいさつもなく、普段からあまり話しかけられたくないように見えました。しかしその現場を任された担当者は、いつもどおり「今日もよろしくお願いします!」という元気なあいさつを毎朝続け、「こちらの廃棄物もあわせて処理しておきましょうか」といった積極的な姿勢で無口なお客様に接し続けたのです。すると次第にお客様の態度が変わっていきました。
はじめは「産廃さん」とよそよそしく呼ばれていましたが、それがやがて「宮坂さん」に変わり、その後は担当者の名前である「中野くん」に。次第に会話も弾むようになり、業務上のお悩みもいろいろ話してもらえるようになりました。担当者はその現場の最終日のことが、いまでも忘れられません。「最初はひと言のあいさつさえ返してくれなかったお客様が、握手とともに『今日まで本当にありがとう!』と心をこめて僕に感謝を伝えてくださったんです。そのときは今日で現場が終わることをとても寂しく感じました」。このとき彼は、元気なあいさつと共に真摯に業務に取り組むことは、確かな信頼につながっていくのだと改めて実感したそうです。

トップから受け継いできた文化が自然に根付く

トップから受け継いできた
文化が自然に根付く

しかし、人の心を動かすようなあいさつを、なぜ宮坂産業は会社全体で実践できているのでしょうか。社員が口を揃えて言うのは「先輩たちがやっていたから」。特別な教育や研修はなく、上司の指示があるわけでもありませんが、新人は先輩について仕事を覚えていく中で、元気なあいさつの仕方やお客様に寄り添う姿勢を倣っていくのです。これは会社のトップである宮坂龍介(会長)や竜司(社長)が率先して行ってきたことでもあります。現場を退いた龍介がいまでも、作業現場に向かうために駐車場を出ていくトラック一台一台に「気をつけて!」「いってらっしゃい!」と元気に声をかける姿に励まされ、気を引き締める社員は多いのです。また、宮坂産業では淀川花火大会を観覧する親睦会など、家族ぐるみの会社行事も多く、社員同士は気心の知れた間柄。これも明るいあいさつ習慣を生み出す大きな要因といえます。
相手の心に一歩深く踏み込む「あいさつ力」。そんなコミュニケーションスキルを備えた社員を自然に育むことができる文化こそ、決して派手さはありませんが、他社にはない宮坂産業の強さなのかもしれません。

原稿作成時期:2019年9月